気まずい5cm – 気まずい瞬間シリーズ02
いよいよ夏本番、浴衣の季節です。浴衣というと昨年の夏の気まずい5cmを思い出します。
日本の着物はよくできていて体に平らな布を巻きつけるものなので、どんな体型の人もきることができます。妊婦さんも昔は着物でした。
でも女性ものの反物は36cm幅ですので(最近は手足の長いお嬢様のためにもっと大きいものもあります。)何枚もはぎ合わせなくてはなりません。ちょうど背中の中心線ではぎ合わせた線が背中心です。
お尻を輪切りにして上から見ますと上の図のようになります。A地点あたりから巻き始めて、必ずB地点で巻き終わるように着ますので、体が太るとお尻のところの背中心線が どんどん左にずれていきます。
江戸時代は商人が財を築いた時代ですが「振袖火事」の話など読みますと豪商の娘さんですら古着の振袖をお召しだったとか・・・。
だからお尻の中心線がずれているなんて当たり前のことだったと思います。今でも古着が流行っていますので、どってことないのかもしれません。
でも、でも、自分の体にあわせて、あつらえた着物にもかかわらず5cmもずれてしまっているということを思うとまっすぐ顔を上げて歩けないちびぶーでした。
日本の文化はキャパが広いようでシビアな一面もあるという 気まずい5cmのお話。
さて、そろそろ夏祭りですね。浴衣をお召しになろうとお考えにあなたにワンポイントアドバイスです。
「昼間お出かけなら地が紺などの色つき、夜お出かけなら白地の浴衣」がおすすめです。きっと貴方を引き立ててくれますよ♪
ちなみに上半身は背中心を合わせて着ますので誰でも真ん中に来ます。下半身は「気まずい5cm」の説明文のようにB地点をあわせます。当然 途中着物はねじれるわけですが、これをうやむやにしてしまうのが、「おはしょり」でございます。帯の下から着物が折り返して出ているところです。着付けで「おはしょりの始末」は大切です。
おはしょりは着物の丈を体に合わせて調節しているわけですが、同時に胴回りの微調整もしていてくれるわけです。ここで全ての臭いものにフタをしているわけですね。おはしょりは日本の文化です。ビバ・ジャパン!